こんにちは名古屋駅前の酒井矯正歯科クリニックです。
患者様のアンケートを紹介します。
32歳・女性・名古屋市千種区から来院



1.矯正治療終了後に変わったと思うこと
・「痩せた?」と聞かれる
下顎が落ちている→顎周りが引っ張られて顎~のどのラインがまんまるで太っているようにみえたのが、手術後に改善されたため、こう言われることが増えた。
しかし鏡で見ても分からない横顔の話なので、私自身に変わったという自覚はない。
特に痩せてもいないし、手術のことを知らない人に最初から説明するのも面倒で「そうかなあ?」で会話を終わらせている。
実際少し顔つきは変わったようで、「顎周りだけ太かったもんなー姉ちゃん。今だから言うけど。」と弟に言われた。
久しぶりに会う知人は矯正治療の過程を数か月おきに見ていたので、「<かわいい>から<きれい>な感じになった」と言ってくれた。要するにすっきりした、という意味なんだろうと思う。(笑)
・前向き
手術前に執刀医から「頬骨の位置が少し上がるので、顔がややふっくらした印象になります」と言われていた。
顔がまるくなったように見えるので、手術を受けた人によっては「嫌」と感じる人もいるようだが、個人的には「それってプチ整形だよなー」と思っていた。
その話を会社の歯科助手にしたら「リフトアップですね!(含・ちょっと羨ましい感じ)」と言われて、・・・女ってタフだな、と思った。
私の場合、顎周りがすっきりしたことの方が印象が強いらしく、手術前より顔が丸くなったね、とはまだ言われていない。
・ふと思う
あ、噛めるんだな。
咀嚼しても上下の歯が一箇所しか合わなかった自分の口とは思えない。
両の奥歯でモノが噛めるという経験を今出来る。すごいなぁ、と思う。
・それでもいいや
唇の左半分に麻痺が残り、飲み物が伝っても気付けないときがある。
食べかすが付いていても分からないので、時々口元を触る癖がついてしまった。
それでも噛めるから、いいや。
・意外に減らなかった
治療中、虫歯になったらあかん、という危機感があったため、念入りに歯磨きをしていた。
タイミングよくテレビで「正しいブラッシングの仕方」を見たので、その通り真面目にやっていた。
何度も歯磨きするのが面倒なので、食事以外は水しか飲まず、つまみ食いやお菓子を食べることもほとんどなかった。
1回の歯磨きに最低10分かかり、食べかすがひっかかって全取れずストレスが溜まる一方の時期もあったが、おかげで矯正治療中に虫歯にならずに済んだ。しかしじっくり行う習慣がついてしまったからか、針金が外れても相変わらず10分かけて歯磨きをしている。
外出先では結構めんどくさいのだが、この習慣は何十年後の自分をちょっとだけ助けるのだろうと思っている。
・良くも悪くも
食べ物は結構困った。
ねぎ・えのきだけ・お肉など筋があるものは針金に絡まるし、一時期上の奥歯の間隔を広げる器具(名前忘れました。ブリッジみたいなやつです)をつけていたときには春菊が絡まって大車輪を披露してくれたことがある。
麺類はほぼ全滅、米やパンも歯と器具の隙間にすっぽり挟まってしまうので、毎回歯磨きの強敵だった。
せんべいや飴などの硬いものも避け、外食をしても食べたいものではなく材料でメニューを選ぶのが当たり前になった。
食べたものが必ずひっかかるので、その状態で人と会話をしたくないから、ひとりで食べるようになった。しかしこれは気楽だったので、今でもほぼ継続している。
以前は義務で食べていたが、今は食べることが楽しみになっているのはとても有難い。
2.意見や感想
・してもらうんじゃない
矯正を始めるか否かの決心をするまでに時間がかかった人ほど、治療のプロセスの多さにへこむ傾向があると思う。
事前説明を受けて頭では理解していても、どうにも焦りやいらつきが生まれてしまう。
素人の私は、矯正=即針金、だと思っていたので、そこに至るまでにたくさんの検査や器具装着期間があり、実は針金をつけることがゴールなんじゃないか?と変な錯覚に陥ったこともあった。
次は1か月後、その次も1か月後、という遅々として進まない(ように感じてしまう)状況へのいらいらを、私は「言われたことは意地で守る」ことで紛らわせていた。
きちんと1か月いわれた通りにやったんですよ!なんで駄目なんですか!・・・と言えるようにするための自己防衛だったのだが(笑)言われたことを守っていたおかげが歯の動くペースが速く、「時間をかける」ことも必要な要素なんだと思うようになり、だんだん考え方が変わってきた。
そのうちに、言われたことを守っていれば大丈夫なんだ、きちんと治療してもらえるんだ、と思うようになった。だから手術に対する不安は何もなかったし、痛みが酷くてもいずれ治まるから心配いらない、と思っていた。
一方的に治してもらうわけではなく、一番必要なのは「良くなりたい」という自分の意思だと思う。
そこに専門家が手を貸してくれることで、治療が成立する。
家族の助けがあり、職場の理解と協力があり、今ごはんが美味しく食べられるようになった。人一人まともに食べられるようになる、たかがそれだけのために、何人の世話になったんだろう。
すべての人に、有難うございます。
・恵まれた入院
2週間入院した病院のフロアは、歯科と脳外科の病棟だった。
○日に入院して□日に退院する、という予定ありきの入院患者である私の隣には、ある日突然倒れて気付いたらベッドの上、体が動かず言葉も上手く発せられない人たちがたくさんいた。
・・・これ以上ないくらいの社会勉強だった、と思う。
・やっつけ仕事はそうとわかる
手術前の検査で、割り箸をくわえた写真を撮るときのこと。
歯科助手さんに「もう少し口をあけてください。もうちょっと。もうちょっと開きませんか」と言われた際に、ぶちっ、といってしまい「それが出来たらここには来てませんよ」と言い放ったことがある。
人には簡単でも私には出来ないから治療を受けているのであって、そのしんどさや苦しさや不便さなどは、本人以外には分からない。けれどそれはどんな病気でも痛みでも同じことなので、分かって欲しいとは思わない。
でも、分かろうとする姿勢はほんの少しでいいから見せて欲しい。
言われた言葉そのものにキレたのではなくて、写真を撮るという行動が「治療の一環」ではなくただの「作業」でしかないことにいらついたのだ。
今思えば大人気ないことを言ったと思うし、文句も言わず我慢した痛い治療を受けている子供の患者さんをたくさん見てきたので、ああいう子たちが頑張ってるのに情けないな、と思う。
けれど、そう思った上でも、もしまた同じ状況で同じことを言われたら、やっぱり私は同じことを言うと思う。長期間にわたる治療の1日くらい、八つ当たりを許して欲しい、と思いつつも、やっぱりごめんなさいでした。
3.その他
某ハーゲンダッツアイスクリームに「クリスピーサンド」という商品がある。
さくさくウエハースでアイスクリームを挟んだ魅力的なアイテムで、ちょうど矯正の針金治療が始まった頃に新発売された。
美味しそうだね~、と家族で購入したのだが、さくさく良い音が聞こえる中で、私だけは噛むことが出来なかった。
硬かった。
痛かった。
どうしても噛めなくて、フォークで突き刺して分解しながら食べた。
美味しいけど悔しくて、絶対普通に食べられるようになってやる!と思った。
そこから約2年半、時には「レタスで激痛」という地味な痛みと戦いつつ、そのうち痛いと思うことすら面倒になって気にせず食べるようになったりしながら(タフになりました)手術を受け、術後も順調だったおかげでとうとう針金が外れた。
この間いくつの期間限定フレーバーが発売されていたんだろう、と思いながらコンビニでストロベリーのクリスピーサンドを買い、自宅で一人ダイニングテーブルに着いて口を開けた。
何の抵抗もなく さくっ という音がした。
美味しかった。
・・・涙がこぼれた。

治療前

治療後
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